成年後見制度メリット

成年後見制度について説明しましたが、では実際この制度を利用することで、どういったトラブルの解決に結びつくのでしょうか。身寄りが無い被相続人の方が、将来的な自分の遺産の行方が心配な場合、親族間で争いが絶えず、財産の為に紛争が勃発しかねない場合、本人の財産を親族が勝手に使い込んでいる場合、少し複雑で困難な法的トラブルを抱えている場合、財産管理をいずれ信用できる人に預けたいと考えている場合、知的障害を持った親族がいる場合の対処方を考える場合等の悩みがある場合には、成年後見制度を利用されることで解決する可能性が出てきます。ただし、申立ての手続きや書類を揃えるには少し複雑で、お金の問題も絡んで来ます。デリケートな問題になりますので、手続きや相談については、専門家である弁護士を頼ると良いでしょう。

後見人になれる人について、資格等は必要なく、法律上は誰でもなることができます。家庭裁判所がふさわしくないと判断した場合には認められない場合もあります。また、相続に関しては本人と後見人に利害関係があるとされた場合には、別に特別代理人を立てる必要があります。後見人には、第三者である弁護士を職業後見人として立てることも可能です。状況に応じて弁護士を活用すると良いでしょう。

『参考資料』スター綜合法律事務所:弁護士成年後見サポート

成年後見登記制度とは

法定後見制度、あるいは任意後見制度を申し立てた場合、「成年後見登記制度」を利用することになります。この制度とは、法定後見制度と任意後見制度の利用の内容、成年後見人の権限、任意後見契約の内容等について、コンピューターシステムで法務局に登録し、登記官によって登記事項証明書を発行、情報を適正に開示することで、判断能力が不十分な方との取引の安全性を確保することができる制度になります

以前は戸籍に記載されていたこともありますが、プライバシー保護の観点、成年後見制度の使い勝手を考え、成年後見登記制度が新しく作成されました。本人や成年後見人からの要望があれば法務局から登記事項証明書が発行されますので、これを相手方に表示することで安全かつスムーズな取引が可能となります。例えば、成年後見人が、本人の代理で財産の売買、介護サービスの契約等を締結する際に、この成年後見登記制度を使って、取引相手に登記事項証明書を提示します。これでその権限等を確認してもらうという利用方法になります。あるいは、成年後見を受けていない場合は、自己が登記されていないという証明書も交付してもらうことができます。つまり、成年後見制度についてのいろいろな証明書になるということになります。

二種類の成年後見制度

成年後見制度には、すでに判断能力が低下している人を対象とした「法定後見制度」と今はまだ元気だけれど、将来的のことを考えて先に決めておく「任意後見制度」の二つがあります。成年後見制度を利用する場合は、このどちらかを利用することになります。

法定後見制度とは、本人の判断能力の程度、各事情に合わせて「後見」「保佐」「補助」の3つの制度を選べるようになっています。家庭裁判所によって選任された成年後見人・保佐人・補助人が、本人の利益を考慮しながら、本人に代わって契約等の法律行為や、本人が自身で法律行為をする際に同意をしたり、本人が同意を得ずにした不利益な法律行為を後から取消しすることが可能になり、本人を保護・支援します

任意後見制度とは、本人が契約等の終結に必要な判断能力をまだ十分持っているうちに、将来的に認知症等によって自己の判断能力が不十分になった時の為に、後見人を事前の契約をすることで決めておくという制度になります。将来の自分の健康・判断力について不安を持つ方が、将来の準備として契約し、認知症になったと判断されたタイミングで家庭裁判所に申立てを行います。その後、任意後見監督人の選任が行われ、監督人の監督の元、後見人開始となります。

自分には関係がない制度だと思われた方も、超高齢化社会になってしまっている日本社会において、長寿であっても健康である保障はどこにもありません。この制度を使う将来もあるかもしれませんので、その時の為にも、ここで詳しく見ておきましょう。